田んぼの田上 -tanbo no tagami-

2019/11/29 06:53

こんにちは。今回は、お米の保存方法についてお話したいと思います。


■お米は「生鮮食品」

さて、台所の片隅に置かれてしまいがちなお米。みなさんはご自宅でどのように保存してますか?

スーパーでお米をご購入されている方も多いと思いますが、たいていの場合、お米は常温の商品棚に置かれています。ですので、あまり「生鮮食品」という認識がないのが一般的かと思います。乾物ぐらいの感覚でしょうか。

ですが、実はお米は「生鮮食品」です。水分をたくさん含む食品で、この水分量がお米の美味しさに影響します。

余談ですが、「水稲」「水田」というくらいなので、お米は水生植物です。収穫直前まで田んぼには水がはられているため、収穫したてのお米は大量の水分を含んでいます。私たちお米農家は、収穫したお米をすぐに乾燥させて、定められた適切な水分量(%)で出荷しています。

そんな「生鮮食品」であるお米の最も適した保管場所は「冷蔵庫」だと言われています。低温保存することで酸化を防ぎ、美味しさが長持ちするそうです。

ですが、冷蔵庫にお米を保存するのって難しいですよね。冷蔵庫は生鮮食品だけでいっぱいだし、お米なんて保存するスペースないよ!って思われた方も多いと思います。

実際、ウチもそんな状態です。それに、お米は臭いを吸収しやすいので、いろんな食材が入っている冷蔵庫で保管することにはデメリットも。

以前我が家では、冷蔵庫保存用のライスストッカーを使っていましたが、冷蔵庫で保管できる量が少なすぎるため続きませんでした。

精米した5キロのお米をすべてを冷蔵庫に保存できるわけではなく、残った分は常温保存となってしまうので、あまり意味ないなと。。。

結果、お米の時間が考えた保存方法は次のようになりました。

①臭いがつきにくい場所と容器で保存する。
②購入(精米)してから1ヶ月以内に食べきる。

この2点です。

決してベストな方法とは言えないかもしれません。でも十分美味しく食べられる方法だと思うんですよね。ちなみに私たちが実践しているのもこの2点だけです。参考になればと思うので、ちょっとご紹介してみたいと思います。

①保存容器と保存場所

まず、保存容器は野田琺瑯のラウンドストッカー(21センチ)を使用しています。プラスチックフリーなものを探して見つけたのがこれ。琺瑯なので臭いがつきにくく、5キロのお米がそのまま入るのが良いところ。

我が家では、お米の精米を5キロづつするようにしているので、本当にちょうどいい。そして清潔感があって可愛いデザインがグッド!!いつでも洗えて清潔に保てるというのも大事です。




ちなみに、我が家では白米ではなく、精米を7分づきにして食べています。色が少し茶色っぽいのは、少しだけ玄米に近いから。

でも味も炊き方も白米とほとんど変わらないのに、栄養素は白米よりずっと多いんです。ビタミンBとか食物繊維とかがグッと増えるのでとてもヘルシー。

さて、保存場所です。湿気が少なく余計な臭いがつきにくい涼しい場所がベスト!!特にお米は臭いを吸収しやすい食品なのでそこだけは注意です。

雑菌やカビの心配がない清潔な場所で、ほかの食品なども置いていない場所がいいですね。日が当たらず酸化しにくい場所だとよりグッド!!


②購入(精米)してから1か月以内に食べきること。

お米は精米してからどんどん酸化が進みます。ぬか層がある玄米であればほとんど酸化しないのですが、精米をしてぬか層を除去してしまうと酸化が進行してしまいます。

ですので、美味しいお米を食べたい場合は、できるだけ精米日が近いものを選ぶのが望ましいです。

お米をおいしく食べられる期間というのは諸説あるようですが、いろんな情報を総合するとだいたい、
・夏の暑くて湿度の高い時期では、2週間程度
・春・秋は1か月程度
・冬は1.5か月半程度
と言われているようです。

もちろん食べる直前に精米するのが一番新鮮で美味しさも栄養も文句なしですが、これはやっぱりハードルが高いです。

精米器も必要だし、とても手間がかかります。我が家には、家庭用の精米機もあって、3分づきが食べたいときにだけ使っていますが、出たぬかの処分がとてもめんどくさい。。。

美味しいものを食べるのは、やはり手間暇がかかる。それが世の常です。でもお米のように毎日食べるものはほどほどにしたいというのが正直なところですよね。

そういうことを考えると、だいたいの目安としては1か月を期限にお米を食べきるくらいがいいのかなと思っています。

■出荷するまでは玄米で冷蔵保存。出荷時に精米。

お米の時間は、お米農家なので、お米にはそれなりのこだわりがあります。

毎日食べるものだから、農薬も化学肥料も可能な限り減らしたい。(来年は化学肥料を使いません!)そのために自然栽培をしたり、減農薬(特別栽培)をしたりしています。

そんなお米だから、せっかくなら美味しく食べてほしい。とってもがんばって作ったお米だからやっぱりそう思います。(自分で頑張っていると言うのもどうかと思いますが、、、)

でも、お米をおいしく食べることを極めようとすると、とても大変なことも知っています。

この忙しい現代社会。お米にかまっている時間なんて正直ないと思います。でもだからこそ、普通の暮らしの中で、気軽においしくお米を食べてほしいというのが、私たちの願いです。

そんな思いから、田んぼの田上では、出荷用の専用冷蔵庫で玄米の状態で保存しています。



一年中、3℃~16℃の一定温度で、結露も防いでくれる玄米専用の保冷庫。鮮度をしっかり保ちます。


この専用冷蔵庫で玄米の状態で保存しており、毎回ご注文を受けてから、ご希望の分づき(精米歩合)で精米してお届けしています。

ご自宅で冷蔵庫に保存できなくても、気軽にしっかり美味しいお米を食べていただければと思っています。

もちろんこだわった食べ方をしていただければ最高に美味しく召し上がれます。


今回はお米の保存方法についてご紹介しました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。